■スクイーズと圧平衡
潜降することにより、体にかかる圧力は大きくなります。
体内の空洞内圧力と外部圧力に差圧が発生すると、壁となっている組織が引っ張られ違和感や痛みを感じます。
これがスクイーズと呼ばれる障害です。
スクイーズを防ぐために、違和感や痛みを感じたら早めに空洞に空気を送りこみ、周囲と同じ圧力にします。
これを圧平衡と言います。
日常のスクイズ
各空洞のスクイーズ
●中耳
耳抜きのコツは、早めに頻繁に行うことですが、抜けない時は少し浮上して再度試みてください。
足から潜降するフィートファーストや抜けにくい方の耳を上にすると楽に耳抜きが出来ます。
耳の違和感や痛みを無視して更に潜ると鼓膜が破れて中耳に水が浸入します。
中耳に水が入ると三半規管が冷やされ、平衡感覚を失い激しいめまいを起こします。
万一その様な場合には、岩などにつかまって体を安定させます。
中耳に入った水が温まれば治まりますが、早急にエキジットしましょう。
バルサルバ法
スクイーズになっている耳
圧平衡がとれた耳
●副鼻腔
副鼻腔から気道に通じる管は、通常は何もしないでも圧平衡がとれます。
しかし、体調が悪く管が炎症をおこしてしまっている時は、管がふさがっている為、圧平衡をとる事ができません。
副鼻腔がスクイーズになると周りの組織を内側に引っ張り、痛みが生じます。
最も多いのは前頭洞のスクイーズで、額の部分が痛くなります。
ひどい場合は毛細血管が破れ、副鼻腔の中に血液が溜まってしまうこともあります。
風邪の時は、無理せずダイビングを中止しましょう。
正常な副鼻腔
スクイーズになっている副鼻腔
●肺
スキンダイビングで40m以上潜ると肺の容積は1/5になり、肺はスクイーズとなります。
特殊訓練により体内に「ブラッドシフト」という現象が起こると、よりさらに深く潜ることができる人もいます。
●歯
治療した歯の中に空洞があると、スクイーズにより神経が引っ張られて、歯が痛むことがあります。
その場合には、歯科医院で治療して、歯のスクイーズを予防しましょう。
●マスク
マスクのスクイーズを感じたら、鼻から少しマスク内に息を送り圧平衡をとります。
このテクニックをマスクブローと言います。
マスクブローをしないと、マスク内にスクイーズがおこり、マスクが顔に張りつき、目が充血します。
ひどい場合には、目や顔の血管が傷つき、アザができることもあります。
マスクスクイーズ
マスクブロー
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